Sibainu Relax Room

愛犬の柴犬とともに過ごす部屋

ペルセウス座流星群2023

流星?それは何だ。俺も見たいなという顔をしている柴犬です。

概要

もう30年ほど前になります。

そのころ家族でオートキャンプに年間数回行っていました。

ある年の子どもの夏休みに開設間もない奥飛騨温泉郷オートキャンプ場に行きました。

偶然、ペルセウス座流星群の極大日と重なり、さらに光害もなく澄み切った暗い夜空の中で運よく多くの流星を見ることができました。

当たり年であったようで1分間に2個1等星くらいの明るい流星を見ることができました。

その後、このような好条件に巡り合えることはありませんでしたので、結構印象に残っています。

流星とは

地球、他の惑星、太陽の間に漂っているといってもぷかぷか浮いているのではなく、秒速20㎞以上で動いている砂粒程度の個体が、たまたま地球の大気(高さ70㎞~100㎞)に突入して、大気との摩擦で熱が発生して発光する現象です。

この砂粒が小石なると火球という現象が発生します。発光して走るとき下の絵の左のように火の粉を残しながら移動します。

時には、走った後に煙のようなものを残し、大気の層により流れが異なりことにより右のように発光物が変化する様子が見られることもあります。

また、単発ではなく毎年決まった時期に、決まった方向からある程度まとまって流星が発生する現象があります。

このような流星を流星群と呼んでいます。今でこそ仮想のメモリがありますが、昔はありませんので方向は明るい星の配置により星座というものを決めていました。

決まった時期に決まった方向からある程度まとまった流星を星座を方向にして何々座流星群と名付けています。

流星群

次の表は、今後1年間の主な流星群を載せています。

流星群名 活動期間 ピーク日時・月齢 観測条件
ペルセウス座流星群 7月17日~8月24日 8月13日17時(月齢26)
10月りゅう座流星群 10月6日~10月10日 10月9日16時(月齢24)
オリオン座流星群 10月2日~11月7日 10月22日09時(月齢7)
しし座流星群 11月6日~11月30日 11月18日14時(月齢4)
ふたご座流星群 12月4日~12月17日 12月15日04時(月齢2)
しぶんぎ座流星群 12月28日~1月12日 1月4日18時(月齢22)
4月こと座流星群 4月16日~4月25日 4月22日16時(月齢14)
みずがめ座η流星群 4月19日~5月28日 5月6日06時(月齢27)
みずがめ座δ流星群 7月12日~8月23日 7月31日(月齢25)

この中で、最も規模が大きいのがペルセウス座流星群です。

観測条件が △ ですが、月齢26ですので、〇に近い好条件です。

月齢は29までで次は0ですので、月齢0の真っ暗の新月になる日の4日前ということになります。

月齢26は明け方の東方向に細い月として見えるはずです。

ペルセウス座流星群

夏休みの中日に見られる最も規模の大きな流星群で、星の愛好家にとって年中行事の中の大きなイベントになります。

こんな感じに見えると予想されます。

放射点を中心に広がる感じに1分間に1個走ります。流星雨といったとてつもなく多くの流星が走ると上の画像のように放射点に吸い込まれる感覚になるそうです。

過去の流星雨の下の画像のように記録があり、1時間に何万個という事例もあったようです。

なぜこのようになるのか。それは、流星は平行に上から下へ走るけど、これを地表から見る人は下の図のように、あるところまで放射点(線)から外れるほど走る角度が大きくなり見掛け上長く(オレンジ色の線)なり、放射点を中心に内から外に走って見えるからです。

今年の最盛期は、8月13日午後5時の予想ですので、同日午前3時頃か、14日同時刻が見るのによさそうです。

見る方法は、双眼鏡などの拡大してみる道具は必要ありません。それらは不要物の類になります。

そして椅子に座って見るのではなく、レジャーシートを地面に敷いて寝ころび、ただ上を見ているだけです。流星はどこを走るのか分かりせんので、見る方向は放射点方向ではなく、ただ天上付近をまんべんなく眺めるのが一番です。

最盛期の暗い場所で見るなら極大で1時間当たり40個くらいみられるという予想です。

しかし、当たり外れが大きいです。冒頭のように30年くらい前に見たときは100個くらい飛んでいました。まあ運のみです。

さて、どうして毎年決まった時期に決まった方向から飛んでくるのかというと、砂粒が敷かれた軌道を地球が横切るからです。また、どうして砂粒が敷かれた軌道があるのかとういと、それは彗星がばらまいているからです。

彗星は、砂粒が含まれた雪だるま状態です。彗星は太陽の周りを公転して太陽に近づく度に、太陽光の熱で雪だるまの表面が溶け(気化が正しいかも)砂粒が彗星から離ればら撒かれるというサイクルを繰り返しています。

ペルセウス座流星群の元は、スイフト・タットル彗星です。太陽の回りを約130年の周期で公転しています。

ですので、必然的に砂粒の轢かれ具合にムラができることから、流星の発生には当たりはずれがあることを理解していただけると思います。

また、彗星の軌道の中心を地球が何時に通るかによって、日本での最盛期が夜になるのか昼になるかが決まります。

ですので、上の絵画のような流星雨は、ヨーロッパで夜に砂粒が密集した軌道の芯を通過したことで発生したもので、12時間後日本が夜になったころは密集を通過後なので発生しなかったとなります。

また、密集も砂粒が気化してばら撒かれるときの圧力、太陽風などの要因で広がって密度が薄くなりますので、活動期間に広がりを持つようになります。

もうお気づきと思いますが、公転は130年ですが、彗星は1公転して太陽に近づく度に細っていきます。この彗星もあと何回公転できるのか分かりませんが、そう長くはありません。いずれペルセウス座流星群もなくなるでしょう。

しかし、オールトの雲、エッジワース・カイパーベルトから新しい彗星が落ちてくるので、彗星というものがなくなることはありません。そして、新しい流星群が発生します。

今年はペルセウス座流星群を見る予定にします。

彗星の蒸発

最後に、彗星の蒸発を紹介します。

アイソン彗星は、2012年9月21日(世界時)に発見され、太陽に接近時は大彗星になるとの予想もありました。

この彗星は、日本時間の2013年11月29日早朝、太陽に最も接近する予定でした。

太陽への接近が過酷だったようで、最接近の直前から徐々に細っていき、わずかな残骸を残し煙のように蒸発しました。

そして、その残骸も徐々に崩壊・分散して消滅しました。

その時の過程をNASAが公開しています。ショッキングな出来ごとでした。

今日はここまでとします。

補足

最後の図の中のペルセウス座の方向について考えるところがありますので書き加えます。

というのも、電車の中から窓の外を見る風を考えない雨を思い出し、このことも流星雨にも当てはまるのではと考えたからです。

黄色い線が電車から見る雨の軌跡です。

緑が実際の一定時間の移動距離(電車が止まっているときの黄色と同じ)で、赤が電車の一定時間の移動した距離です。

一定時間ですので距離と言っていますが速度と同じ意味です。

90.9kmは記事からの推測値で正確でないことに留意ください。

地球の公転速度を考えなければ電車が止まっているときの場合で、ペルセウス座の方向は上の図の通りとなります。

地球の公転を考慮に入れると電車が左に走っているときで、雨が降りこむ方向が傾くように、ペルセウス座はもう少し下方向となるのではと考えます。

その角度は、地球の公転スピードと彗星の公転スピード(地球付近)から計算される値は

actan(29.9/90.9) = 18.2度 (90.9は記事からの推測値で正確でないことに留意ください。)

となりました。

地球の公転スピード

地球の公転スピードは、太陽から1億5千万kmで1年で一周しますので、

(150,000,000×2×3.14)km / (365×24×60×60)秒 = 29.9km/秒 

と概算が計算できます。秒速29.9km結構速いですね。

彗星の公転スピード

彗星が地球の付近を通るときの速度は、百武彗星を例にとってみます。

百武彗星は地球から0.1AU(太陽と地球の距離を1AUとする単位を決めています)の距離を通り、1日で十数度移動したと言われています。このことを基に十数度を15度として計算してみます。

(150,000,000×0.1×2×3.14) × (15/360)km / (24×60×60)秒 = 90.9km/秒
距離0.1AUの一周の距離に360度に対する15度の割合をかけて求めた実移動距離を1日の時間で割ります。

記事からの推測値は、秒速90.9㎞とでました。彗星は驚くほど速いですね。しかし、次の考察のとおり秒速90.9㎞は疑問な値です。

太陽の引力からの脱出速度

地球の公転軌道上で太陽の引力からの脱出速度は 42.1km/秒です。

90.9km/秒だと太陽圏から離脱してもう二度と戻ってこない速度です。

ちょっと、おかしいなことになってしまいました。百武彗星の記事からの推測は正確でないようです。

公転面

地球の軌道と彗星の軌道が交差することがどういうことに繋がるのか考えてみました。

放射点は赤緯55度位で、目安は北極星とぎょしゃ座のカペラを結びその中間を時計の反対の左周りに10度位移動した位置の付近です。

赤緯55度と北極星に近い位置なので、図の手前から上から下斜めに砂粒(彗星)の軌道があり、砂粒が地球に降り注ぎます。

それから先は地球の公転面の下から太陽に最接近して、地球に流星を降らせた位置の反対側から地球の公転面を抜けます。ここでは軌道が交差しないので流星群は見られません。

彗星の公転面と地球の公転面の角度は、調べてみましたが分かりませんでした。

これは、私の推測するところなので誤りがあるかもしれません。

90.9は記事からの推測値で正確でないことに留意ください。